書いて覚える? 暗譜にまつわる思い出

「入試で弾いたバッハのフーガを、 いまここで5線紙に書いてごらんなさい」 音楽高校のピアノ科に入学したばかりの私達に そうおっしゃったのは、たしか音楽理論の先生でした。 入試の課題曲にはバッハの平均律クラヴィーアが入っていて、 そのフーガの楽譜を書きなさいと言われたのでした。 もちろん、元の楽譜を見ずに。 暗譜で弾いたのだからできるでしょう、ということです。 冒頭の数小節を書いてみると、休符の長さがあいまいで、 なるほどと思ったのを覚えています。 声楽家の友人が、歌詞を覚える時は何度も書くと言っていました。 俳優さんがセリフを覚えるのにやはりそうするときいたこともあります。 器楽の音符を「書いて覚える」という話を聞かないのは、 やはり膨大な情報量で、時間がかかってしまうからでしょうね。 生徒さんが弾いているような音の少ない曲でしたら できなくもない気がします。